「鳴き声、悪臭・不衛生、飛毛・飛羽」がペットの三大公害と言われていますが、実際にトラブルになるのは極一部にしか過ぎません。
大多数はお互い様という事で、特にトラブルは発生しません。ただお互い様の範囲は必ずしも不変ではなく、近隣の人間関係の変化に伴って変化します。人間関係が緊密であればあるほど範囲は広く、人間関係が希薄になればなるほど、範囲は狭くなります。
以前に比べて現在は、お互い様の範囲は明らかに狭くなっています。
ペットに関する近隣トラブルの増加している原因はそこにあります。
ペットを飼う人は、出来るだけ近隣の人間関係を友好に維持するように努める必要があります。
その事がペットのトラブル解決に最善の糸口になるのです。
ペットの寿命はここ十年で二倍になっています。正にペットの長寿化の時代になりました。
飼い主も高齢化して、ペットも長寿化であると、ペットの相続に関する問題が深刻になっています。
そこでペットに財産を遺す方法を飼い主は真剣に考える必要があります。
まずは、遺言書を書く事は出来ますが、残念ながら法的効力はありません。
現行の法律では、ペットはモノとして扱われており、財産を持つ事は認められてないからです。
そこで一般的には負担付贈与という方法をする事が考えられます。
負担付贈与とは、ペットの飼育を条件に財産の全部又は一部を贈与させる事です。
ただし負担付贈与には大きな問題点があります。
一つは受贈者はペットを飼育する義務を負担するのが嫌であれば、遺贈を放棄する事ができます。
その場合ペットのお世話は誰もしてくれなくなり、ペットを守ってくれる人は誰もいなくなります。
もう一つは贈与した後に、ペットがどうなってしまっているのか確認しようがありません。
もし受贈者が適切なお世話をしなかった場合は、どうする事も出来ません。
最後に相続人の遺留分の問題があります。遺留分を超えてペットに財産を遺そうとすると、事前に法定相続人の合意や納得を得ていないと、遺留分を主張され、相続財産争いを招く危険性があります。
そこで新たに近年、ペット信託という方法が注目を浴びています。
ペット信託の流れ
管理会社を設立して、ペットの為の財産は管理会社に預けます。ペットの飼育費=信託財産となります。
管理会社はペットの飼育費を管理する為の会社です。会社名義の財産となり、相続争いから守れて安心です。
ペットの為の財産の管理内容や飼育方法やペット信託開始条件等を細かく設定した契約書を作成する。
ペット信託開始条件が到来したときにペット信託は開始します。
管理会社から定期的にペットの養育費が新しい飼い主に支払われます。
信託監督人が、新しい飼い主が適正にペットの世話をしているか監督します。
信託監督人には契約書で指定された行政書士などがなります。これで安心してペットは生活出来ます。
ペット信託のデメリット
ペット信託をするには手続きに手間と費用がかかります。
まずは受託者として誰を選ぶかという問題が発生します。誰もいなければ、ペット信託専用会社や法人を作らなければなりません。
今の制度では会社や法人を作る事が簡単になりましたが、それでも設立費用や法人住民税等、お金がかかります。
でも可愛いペットに安定した未来を与えたいという深い愛があるのならば、お金が多少かかっても、ペット信託をオススメします。